「えみ!」

「…んぁ?」

拍子抜けで変な返事になった。

「お前これからあの先輩と会うの?」

「そう…だけど…何?」

「俺も一緒待ってていい?」

はぁ!?何考えてんだこのばか男は…

軽く返事をスルーしてすたすたと教室を後にする。


「…あ!おい!!えみ待てよ、しかとかよ…」

しつこく付いて来るので構わず昇降口まで完全無視。



「えみ♪」

下駄箱に手をかけようとした所で先輩に声を掛けられた。

「…あ、亜美先輩!…っと…佑介先輩!?」
「よう!久し振り、えみちゃん♪」


“伊崎佑介”亜美先輩の彼氏。中学からの付き合いの美男美女カップル。亜美先輩があたしのお姉ちゃんなら、佑介先輩はお兄ちゃん的存在。二人してあたしにはいつも良くしてくれる。

そして、久し振りに見た佑介先輩は以前よりも数段カッコ良くなっていた。

「…っていうかえみ、もしかして後ろは彼氏だったり??」



“後ろ?”っと思って振り返ると…さっきからしつこく付きまとってた明広の姿…。