どこまで勝手な奴。


…って初めは思ってたけど、今は何か心地良いし、こうやって一緒に居れて幸せ。





「岡崎~、2年の望月さんって人が呼んでるけど~?」

クラスの男子がいきなりあたしの名前を呼んだ。


「…あ!亜美先輩!!」


スラッと長くて細い足に、調った可愛らしい顔。教室の扉からひょっこり顔を出して、ひらひらとあたしに向かって手を振る。


「久し振りだね~えみ」

「亜美先輩、いきなりどうしたんですかぁ?」


“望月亜美”と言えばこの学校で知らない女の子は居ないんじゃないだろうか…。キレイで可愛くて、某雑誌の人気読者モデルで、女子高生のカリスマ的存在。
因みにあたしの中学の時の先輩。尊敬できる憧れの先輩。


ついでに言っちゃえば、この高校に入ったのも先輩が居たから。って言う不純な動機と、大学までエスカレーター式だから。


「うん、授業終わったら暇かなぁ~と思ってさ♪」

「…え、もしかして久々のスタバへの誘いですかぁ~♪♪」



中学の頃。先輩とはしょっちゅうスタバで色んな話をしてた。
恋の話、部活の事、学校での愚痴。先生の悪口…とか本当色々。