こんなに長い間政巳の顔を見れないなんて、



でも私は必死に耐えた。



二週間ぶりに見た政巳の顔は、かなりやつれていた。


政巳が、「会いたかった夏
海の夢ばかり見ていた。

顔を忘れちゃいそうだよ。」



「私は忘れなかったよ。


政巳のも顔も手も腕も胸も

みんな覚えている。」



政巳が、「家に入って話す?」

と聞くので、「ううん外を
一緒に歩きたい。」



二人で手をつなぎ歩いた。