もう泣かないで

母が帰った後も私はずっといた。



政巳の家が見える場所に、


ずっと立ち続けた。



政巳のそばにいたい。



ただその強い思いから、何時間も立っていた。



もうあたりが暗くなった時、


父が迎えに来た。



私が、「帰りたくない」と言うと、



父は、「たとえそばにいなくても、

遠くから思い続ける事も出
来るよ」と言った。