友達との帰り道

「ぢゃね」

いつもと同じ別れ際のバイバイ─。


いつもと変わらないこの日常に少し悲しくなる。
そんなこと思いながらヽ自分の世界にひたっていたあたしは浅野刹-アサノセツ-

そんなあたしはふと歩く足を止めた。

「あ…」

止めた先には

ダンボール。

その中には…

「「ねこじゃん。」」

あたしが言おうとしたコトバ─。"かわいー"とか言いながら猫を抱き上げる。

その人はあたしの視線に気づいたのかヽ

「「ん?こんにちは」」

ニコッって笑ってはなすあなたに

「えっと…こんにちは?」
あやふやな挨拶。



どうした?

どうしたあたし。

いつもはもっと達者なこの口が

今日は妙に静かだ。



それは


それはきっと


あなたのその笑顔のせいだ。


やばいな。


完全にノックアウト。


名前も知らない。
年も知らない。

なにも知らないあなたにどこか惹かれているあたし。


また会えるかな?



会いたいなぁ。




…出逢いのキッカケはヽダンボールの中の




一匹の



すてねこだった。