【先生×生徒シリーズ】ふたつの恋物語



「彼女はいないよ」



私が返事をする前に先生が言った。


彼女…いないの?


それ…ホント?


私の気持ちを知って、からかってるだけ?



「ホントに…?」


「あぁ」



先生は私の頭を優しく撫でてきた。


その時、私の目から涙がこぼれ落ちた。



「何で泣くんだよ~」



先生は苦笑いしながら言った。



「だって…先生に…彼女がいると…思って…たから…いないって聞いて…安心したって…言うか…嬉しかった…」



私は泣きながら言った。


その時──。


先生に肩を抱かれて、引き寄せられて、
先生の胸に顔を埋めるような形になった。


"ズキン"


胸が痛んだ。


その後は、胸の鼓動が早くなるのがわかった。