「…離…して…」
先生の顔を見て言う。
「離さない」
さっきの笑った顔と違って、先生の顔付きが…真面目になってる…。
「俺は別にからかってるつもりはなかったけど?」
「…じゃー何で好きでもないのに…キス…したの?先生は誰とでもキス出来るの?」
私は目を伏せて言った。
「誰とでもキス出来るような器用な人間じゃないよ。俺は…」
「………」
私は目を伏せたまま何も言えなかった。
その時──。
先生に腕を引っ張られ抱きしめられた。
胸がドキドキする…。
先生の胸の中で身動きが取れない。
私が必死に離れようとすると、先生が更にギュッと抱きしめてる腕に力を入れた。



