【先生×生徒シリーズ】ふたつの恋物語


放課後─。



「やっと終わった~」



私は座ったまま背伸びをした。


教壇には、HRを終えたばかりだから先生がいた。


その周りに群がる女性生徒たち。


何故か嫉妬してる私がいるし。



「あっ!今井!」



帰る用意をしてた私に、教壇から先生が呼んだ。


ドキン─。


名前を呼ばれただけでドキドキする。



「はっ!はい!」


「ちょっと残ってて」



先生がニッコリ笑う。



「ちょっと飛鳥。何したの?」



そう言って来たのは歩美。


隣には笑顔の美空もいる。



「べっ…別に何もしてないよ?ほら、室長だから何か用があるんじゃない?」


「そっか…。じゃー私たち先に帰るね」


「うん。バイバイ」



歩美と美空が教室を出て行った。


さっきまで群がっていたクラスの女子もいないし。


先生もいないし。


私は、イスに座ったまま窓の外を眺めていた。