私が上を見てると、ゴンドラが揺れた。 前に向き直すと、先生が立ち上がり、こちらの席に座った。 長い足を組み私の肩に手を回してきた。 先生に抱かれた格好になる。 「せん…せ…?」 私は上目遣いで先生を見る。 私の顔を見下ろす先生。 「飛鳥は今日は俺の彼女だろ?」 そう言うと、顔が近付いてきた。 私は思わず、ギュッと目を瞑った。 ゴンドラがてっぺんに来た時──。 先生の唇が私の唇に重なった。