優しい笑顔。 温かい大きな手。 飴のお兄ちゃんは、私が泣くと、 助けてくれるスーパーマンでもあり、王子様でもあった。 「飴のお兄ちゃん?」 「ん?」 「飛鳥を飴のお兄ちゃんのお嫁さんにしてくれる?」 私はいつもそう言っていた。 もしかしたら…。 飴のお兄ちゃんが私の初恋だったのかも…。 「飛鳥が大きくなったらな」 飴のお兄ちゃんはそう言うと、 いつもの優しい笑顔で、私の頭をクシャクシャって撫でてくれた。 あれから12年。 私は、17歳になった。