私は何も言わずに、助手席のドアを開けて車に乗った。
「おっ!どうした?」
先生が私の顔を見て笑った。
「知らない人に拾われるよりマシかなぁって」
私は助手席の窓を見た。
「へぇ~。じゃー飛鳥は俺に変なことされても平気なんだ~」
!?
なっ!
何言ってんのよ!教師のくせに!
私は慌てて先生の方を見た。
先生は意地悪そうな笑みを浮べてた。
「お前…顔赤いぞ?」
「へっ?」
私は両手で顔を触った。
「飛鳥の反応ってうけるんだけど」
先生…大爆笑かよ…。
そんなに笑わなくてもいいじゃん!
「私…降りる!」
私は先生に背を向ける。
「冗談だよ!じょーだん」
「もぅ!」
私はフグのようにホッペを膨らませながら前を向くと、先生が車をゆっくり出した。



