私は、ひとつ飴を取ると、それを口の中に入れた。 甘い味が口の中に広がって…。 飴をもらうと不思議と泣きやみ笑顔になった。 「元気になったか?」 って言いながら、大きな温かい手で、 頭をクシャクシャって撫でてくれた。 私は、飴をくれるお兄ちゃんのことをいつからか "飴のお兄ちゃん" と、呼ぶようになった。