「着いたよ。目開けて」
私はゆっくり目を開けた。
「わぁ!」
私の目の前に広がる景色─。
宝石箱をひっくり返したようにキラキラ光る夜景。
金や銀、赤や青や緑。
いろんな色にキラキラ輝いてる。
「この夜景を梨乃に見せたかったんだ」
隣に立っていた先生が言った。
「ありがとう。凄く綺麗」
私の目に涙が溜まる。
「また泣く~」
「だって…感動しちゃって…」
私は手の甲で涙を拭った。
「梨乃は可愛いな」
先生がそう言うと、私の体をギュッと抱きしめた。
そして…体をそっと離すと、キスをしてきた。
軽いキスから、舌を絡めた熱い深いキス。
私の心臓の激しい音が耳まで聞こえてくるように感じた。