晩ご飯をご馳走になった後、先生の部屋に入った。


車と同じでシンプルな部屋。


綺麗に整頓されてる部屋。


私は、ラグの上に座った。


隣に先生が座る。



「親御さんに電話しなくて大丈夫?」



先生に言われて、時計を見ると19時過ぎていた。



「うん。大丈夫だよ。今日は遅くなるって言ってるから」


「そっか…」



先生が私の手を握ってきた。


"ビクン"と体が反応する。



「なぁ…松田のこと…梨乃って名前で呼んでいいか?」


「…うん…」



恥かしい…。


だって男性から名前で呼ばれるのって、お父さんしかいないから…。


好きな人から名前で呼ばれるのって憧れてて…。



「梨乃?」


「あっ…は…はい…」


「俺のことも先生じゃなくて…名前で呼んでよ」


「えっ…」



先生のことを名前で呼ぶなんて…恥ずかしいよ…。