「………ヒクッ……ヒクッ………」



小さい頃から泣き虫だった私。
何かあるとすぐに泣いていた。



「飛鳥?これやるから泣きやめよ。なっ!」



私が泣くと、いつも飴をくれるお兄ちゃんがいた。



「どれがいい?」



飴をくれるお兄ちゃんの手の平の上には、いろんな飴があった。


ソーダ味にイチゴ味にレモン味にオレンジ味──。