「おっすげぇ駅ん中にコンビニあるぜ、奈美。ビール買おうぜ」


小走りで遼平についていくあたしの手をひいて、遼平は「NEWDAYS」とかかれた赤い看板を指差した。


「もぅ、時間ないんだから先に切符買わなきゃ。
ほら、あそこの券売機で買えるから」


携帯の乗り換え案内でもう一度時間を確認して、あたしは遼平の手を引っ張った。





三学期が始まる前に黒く戻したあたしの髪は、すぐに色が抜けて栗色になった。


「奈美は色が白いから黒より茶色の方が似合うね」


真っ先に褒めてくれたのは、親友の舞子だった。
舞子はこうも言った。


「ねぇ奈美、あんたなんか大人になった気がする」