さて、クリスマスどうしよう。


雨で結露した窓に、指で「りょうへい」と書いてみた。
やばい。あたしだいぶ夢見る少女モード入っていないか!?


慌てて消すと、昨日家に帰ってきてから手付かずのままのセシルのバックを引き寄せた。


スケジュールでもチェックしよう。良ちゃんとの約束がなくなったから、冬休みは舞子達と遊ぶ予定をたくさんいれた。


セシルのバックをガサガサあさりながら、あたしは異変に気がついた。


いくら探しても、手帳がない。


ちょっと嘘でしょ!あの手帳には良ちゃんの写真が挟んであるのに!


あたしはバックを逆さにして、大きく縦に振った。
バサバサと中身が床に落ちる。


財布、メイクポーチ、ミニーちゃんのハンドタオル、プリクラ帳、化粧水、乳液、非常食用のカロリーメイトチョコ味、ピルケース、ピンキー…


ない。確かに、手帳がない。


あたしははっとした。


昨日サトちゃんが帰ってから、ひじきのレシピを手帳に挟んだ。

その後、美弥のチャイムでテーブルに置いた。

そのあと、そのあと……

あたしは手帳をテーブルに置いたまま家をでた。

遼平の部屋のど真ん中にに手帳をおきっばなしにして、あたしは家を出た。