「へ?知らなかったの?」


キョトンとするサトちゃんにあたしが、二日前に別れた元カレと同姓同名だと伝えると、


「え〜!ほんと〜!?そんなことってあるの!?
それすごくない!?」


と、案の定サトちゃんもがっつり驚いてくれたようだ。


そこからなんだかあたし達は打ち解けた。


あたしが別れた良ちゃんのことや、金髪の遼平との出会いを話すと、サトちゃんは全て


「すご〜い。そうゆうのっていいねぇ」


と、目をパチパチさせながら聞いてくれた。


あたしが「ひじきが美味しかった」と言うと、サトちゃんは「お母さんの直伝なの」と誇らしげに口を緩ませた。


そしてすぐにその場でひじきの煮物のレシピをメモ帳に書いてくれた。


帰り際、サトちゃんは、


「アユはさ、あたしがしょうちゃんと付き合い始めた頃からだから三年以上の付き合いになるんだけどさ、ああ見えて一途なやつだから安心していいと思うよ」


「あたしと遼平はそんなんじゃ…」


あたしが慌てて両手をふると、


「今度二人であたし達のうちにも来てね」


とあたしの肩を叩いてサトちゃんは帰って行った。


ひじきの煮物のレシピは手帳にいれた。


今日の夕飯はカレーとひじきとかぼちゃの煮物にしよう。


遼平の仕事は早ければ6時には終わると言っていた。


温かいご飯を作って、笑顔で遼平を迎えるんだ。