あたしは思わずドキッとした。


突然手を握られたことだけじゃない。


遼平の手は、びっくりするくらいに冷たかったのだ。


「俺特異体質なんだよ」


あたしの気持ちを察するかのように遼平が言った。


「俺の体って冷てぇんだけど、人肌にふれると一気に暖まるんだよ」


そう言っている間に遼平の手はみるみる暖まっていった。


「一回暖まるとしばらく冷たくならねぇよ」


いつの間にか、冷たかった布団の中までコタツの中みたいに暖まっていた。