「まじ、わりい」


あたしはきょとんとしてリョウヘイを眺めた。


「俺お前のこと覚えてねぇ。昨日、お前の顔見たら知らねえけど、すげぇタイプだったんだよ。
ついつれて来ちまった」


なんてストレートな。


あたしも徐々に昨日の記憶がよみがえってきた。


酔っ払ったリョウヘイに連れられ、あたしは彼のアパートにやってきた。


そのまま何をするわけでもなく、酔っぱらったあたし達は同じ布団で寝たんだった。


「リョウヘイ君……なんだよね」


リョウヘイがあたしをじっと見る。


「わりぃ。まじでお前のこと思い出せねぇ。
いつ会った?
俺そん時酔ってた?」


「あたしもリョウヘイ君に会うのは初めてだよ。
リョウヘイって元カレの名前と同じなんだ。
昨日名前呼んだら…リョウヘイ君が現れた」


リョウヘイの眉毛がピクッと動いた。
「あっそ」
と言って煙草に火をつける。


なんとなく気まずい感じになったのがわかった。


リョウヘイがなんだか不機嫌になっているみたいだ。