「おぃお前らナンパ?」


「可愛いの?」


「紹介してよ」


嫌な予感がして声の方に目をやると、10メートルほど先の自動販売機の前に、5、6人の男たちがたまっていた。


「あっそうだ!今からユウジんち行かねえ?
オヤジいる?」


「いねぇ。新しい女のとこじゃねぇ?」


「またかよ。まじユウジの女好きはオヤジさんの血だよなぁ。」


「おぃ、でもまじで可愛いじゃん」


気がつくとあたしはユウジとしょうちゃんと呼ばれた男たちをいれた7〜8人に囲まれていた。


助けて。


あたしの小さな呟きは、男たちのギャハハという笑い声にかき消されていく。


「とりあえずユウジんちだな。さみいしよ。
ねぇ君名前なんてゆうの?」


しょうちゃんとと呼ばれた男が私の肩に手を回してきた。


助けて…助けて…


リョウ……リョウちゃん助けて!


「良平!!」


あたしはほぼ無意識に叫んでいた。


次の瞬間あたしの肩にまわされかけていた手がピタッと止まった。


「は?」