君への距離

「あたしね…」

杏がしゃべり出した。


「ん?」


翼がちょっとだけ振り返った。




「膝よくこうなるんだ!サポーターつけてないこと忘れて走っちゃうとすぐ!」



「忘れちゃダメだよ!」

翼は可笑しそうに笑う。




二人の自転車を包むように夕方の涼しい風が吹いていた。