君への距離

「ちゃんとつかまっててね?」


翼はそう言うとゆっくりと立ち上がった。



グランドの土手を上がって、第2駐輪場までスタスタ歩いていく。



(やばい!やばい!やばい!)

杏は翼におんぶされて破裂しそうなほどに高鳴る胸を、必死で抑えようと頑張っていた。


見た目は華奢な翼の背中が意外に大きくて、あったかくて、かたくて、杏はまたドキドキした。


翼の体温が直に伝わってくる。