髪が雨に濡れたせいでキシキシする。
冷え切った体に、暖かいシャワーを頭からかぶった。
宗太の家に着いてから、そのままお風呂場に連れていかれた。
瑠衣斗に会う事もないまま、宗太と龍雅に素直に従った。
掴まれた腕を見ると、ぶつけたように広い範囲で青くなっており、相当な力で握られていた事が伺える。
じっと見つめていると、あの時の恐怖がふつふつと蘇ってくるようだ。
あのまま…振り解く事ができなかったら、どうなっていたんだろう。
想像すらできない。何かをされるなんて、考えた事もない。
降り続けるシャワーは暖かいはずなのに、体が震える。
ギュッと体を抱き締めてみても、震えが治まる事はなかった。
握られた腕が、ジンジンと痛む。
私は、どうしたらいいんだろう。
考えてみても何も思いつかないし、何もできないだろう。
りなさんの言葉が、何度も何度も頭の中で木霊する。

