いちえ




あからさまな私を傷付けようとする言葉に、私は思惑通り深く傷付いてしまったようだ。


瑠衣斗に振られたらしいりなさん。


彼女の痛みがそのまま私にぶつけられたような気がした。



何で私に当たられないといけないの?何で私がこんな思いしなきゃいけないの?



そんな事は考えられなかった。



突きつけられた言葉が、深く刺さってしまった棘のようで胸が疼く。



「るぅが待ってるぞ」


「……なんで?」



突然出てきた瑠衣斗の名前に、疑問が浮かぶ。


「迎えに来る間、龍雅に電話が来たんだ」


「な〜んか焦ってたぞ〜」



そう答えた龍雅は、ハンドルを握ったまま、正面を向いてい運転している。



「…ふうん」



もう頬は渇き、湿った服が気持ち悪い。


私の気のない返事に、宗太も龍雅も何も言わなかった。


ただポーッと、外の流れる景色を眺めた。



チクチクと疼くこの感覚を、今すぐ窓を開けて捨ててしまいたい。


でも、今はただポーッとその痛みをやり過ごすしかなかった。



もう、できる事なら関わりたくない。


今はただそう願うしかなかった。