いちえ





パパママと一緒に死ねば良かったじゃん。




誰も必要にしてない。




あんたなんか居なければ良かった。





そんな事、あの人に言われる筋合いなんてない。


ただ私に当たっているだけ。



分かっているのに、言われた言葉に深く傷付いた自分が居る。


「っはあ、は、…っ」



だいぶ走り続けてきた私は、人通りのまばらな場所までやって来ると、やっと足を止めた。



色とりどりの傘達が、街を彩る。


降りしきる雨が、私を隠してくれたらいいのに。なんて思った。



もう、だいぶ気温も温かいはずなのに、体の表面が冷たい。


走ってきたせいで、体の中からは熱が生まれたようだ。



そっと振り返った先には、誰も追ってくる人も居ない事を確認すると、ホッと息をついた。



こんな雨が降りしきる中、傘もささないで立ち尽くす私を、周りの人々は異様なモノでも見るように避けていく。



頬に自分の髪が張り付く感じがして、気持ちが悪い。


でも、そんな事も気にする余裕もなかった。




――…るぅが分かんないよ。



るぅの気持ちが分からない。



意味が分からない。