いちえ




店内では、それぞれが二次会のように楽しんでいる。



主役は居なくても、お酒も食べ物もあるし、何より久々に再会した者同士、積もる話もあるだろう。



美春の体調を気遣い、二次会の予定はなかったのでちょうどいい。



「でもよ、こんな大人数でお邪魔して…大丈夫なのか?」



確かにそうだよねえ。



宗太が言う事は、最もだと思う。


気になってはいたが、慶兄は快く承諾しているし、何だか聞くタイミングもなかった。



「ああ、それなら全く問題ないぞ」



ケロッと答える慶兄は、本当にどうって事なさそうだ。



実はすんごい家だったり?母屋とか離れとかでまず別れてて…蔵とかあったりして!!



「まあ…そうだけどさ……」


「まだ渋ってんのか。別にいいじゃねえか」



そんな慶兄と瑠衣斗を余所に、美春も龍雅も大はしゃぎだ。



仲居さんと一夜のランデブー?を楽しみにしている龍雅は、ニヤニヤしていて間抜けだった。



こんなメンバーが一気にお邪魔しちゃって…本当に大丈夫かな。



そんな私の思いとは裏腹に、季節は徐々に夏へと変化していってる。



「夏休み入ったら、とりあえず行こうぜ〜!!」



そんな龍雅の言葉に、やっぱり瑠衣斗はげっそりとしていた。