いちえ






「はーい!!みんなもっと寄って寄って!!」



カメラマンの声に、みんなが従うように間を詰める。


「おい〜!!るぅでけえんだよ!!」


「え?背伸びでもしろよ」



中庭の噴水をバックに、集合写真を撮るために全員が整列している。


私は美春にやっぱり腕をつかまれたままで、隣にはまた瑠衣斗が居た。


「ももは相変わらず小さいなあ」


「…慶兄うっさいっ」



私の後ろには、慶兄が立ち、その隣にはうるさい龍雅が居た。


俊ちゃんの隣に居る宗太が、呆れたような視線を向けている。


こんなに図体がでかい三人に私は囲まれ、余計に背が低く見える。


「ねぇ…後ろの人達大丈夫?」


龍雅も慶兄も背が高い。もちろん瑠衣斗もだが、そんなのが前の方に居たら後ろの人が写らないじゃん。


「屈むから問題ねえ」


「ももは屈まなくても大丈夫だからな〜♪」


「龍雅うざい。だからモテないんだよ」



みんなして私をイジメて!!牛乳いっぱい飲んでやる。



「ももはこの位がちょうどいいのっ!!美春のももをイジメないでっ!!」


ぷんぷんと怒る美春は、しっかりとお化粧直しをしてもらい、先ほどまでのボロボロになってしまった気配すらなかった。


そんな私もついでに直してもらったんだけど。



「イジメてねえって〜!!コミュニケーションだってコミュニケーション!!」


「本っ当に適当だなあ」



龍雅の言葉に、慶兄も呆れた顔をしてそんな事を言っている。



ちょっとは黙ってたらモテるはずなのに。


残念だね。