「うお〜!!バカップルが増える〜!!」
「美春はパワーアップしてるしなあ」
のんびりとした龍雅と宗太の会話に、無理やり意識を向ける。
考えすぎなのかな。そもそもこんな事、みんなに対してはきっと、失礼な考えなんだよね。
でもやっぱり…るぅはどんな心境なんだろう。
私、また知らない所でるぅを傷付けたりしてるのかな。
気が付けは私は、いつの間にか瑠衣斗を見つめていた。
気のない様子で、龍雅や宗太を見つめていた瑠衣斗の視線が、自然な流れのようにして私に向けられる。
しっかりと瑠衣斗の視線を受け止めてしまってから、私の胸がドキリと反応する。
「…眠い…」
「…へ??」
…眠い?
予想外の言葉に、ポカンと口が開く。
一瞬、言われた事の意味が分からなかった私は、大きな欠伸をした瑠衣斗によって覚醒させられた。
「俺も今日は疲れたーっ!!!!」
「そうよね。みんな今日はお疲れ様ね。お風呂でもシャワーでもして、今日はもう寝ましょうか」
まだまだ元気そうに見える龍雅はおいといて、今日は早く寝てしまった方がいいだろう。
明日もおじさんとおばさんは、朝から仕事なのだろうし、ここは早く解散した方が良さそうだ。
「それじゃあ、またお風呂借ります」
「好きなだけ使ってくれよ」
宗太の言葉に、穏やかな表情のおじさんが答える。
疲れを見せないおじさんとおばさんは、本当にタフで若い。
瑠衣斗を渋くしたようなおじさんと、瑠衣斗が似ているおばさん。
私は、こんな気持ちのままでいいのだろうか。

