今、隼人君に私は、どう写っているのだろう。
素直な子供の感性なのか、私の考えている事なんて、読み取ってしまうのか。
「もも元気ないもん」
言葉に詰まると、ますます言葉が出てこなくなる。
「ももは大丈夫だよ」
「ほんと〜?」
「ホントに。俺もみんなも一緒だからな」
まるで私の気持ちでも察したかのようなタイミングで、瑠衣斗が助け船を出してくれる。
それに合わせるようにして、慌てて私は笑顔を作る。
隼人君に心配される程、酷い顔してたのかな……。
「るいは、もものおよめさん?」
「……お…よめ…さん?」
「うん。パパとママみたいなの」
戸惑いながら言う瑠衣斗が、分かりやすくどもる。
またまた素直な言葉に、今度は私と瑠衣斗2人で固まる羽目になる。
多分ここで、私が何かを言っても、瑠衣斗が何かを言ってもお互いその意味の探り合いになってしまうような気がする。
探り合いと言うか、本人を目の前にどう返答をすればいいのか分からない。
そしてそれを、どう受け取るべきなのか、全く分からなかった。
「隼人〜、それを言うなら、お婿さんでしょ?」
何とも言えない私と瑠衣斗の雰囲気の中、楽しそうなおばさんの声。
顔がどんどんと熱くなり、顔が苦笑いでひきつる。
瑠衣斗の顔も見る事もできず、視線を泳がせるしかない。
「おむこさん?るいおむこさん?」
「はいはい、もうおしまい!!隼人寝る時間でしょう?」
「また今度、おばあちゃんのお家に泊まりにいらっしゃい」
隼人君の疑問を聞き流しながらも、由良さんとおばさんは何だか楽しそうで……。
そんな様子を、遠巻きから宗太と龍雅まで楽しそうに眺めていた。

