いちえ





人数にすれば、ざっと30人近い数だ。


こんなにも沢山の人達が集まっている理由は、多分瑠衣斗のため…?なのだろう。



瑠衣斗の家で見たメモの内容は、「みんなで飲み会してるから、来なかったら分かってるでしょうねfromお姉様」だった。



飲み会は飲み会なのだろうけども…規模がでかすぎて宴会のような気が……。



瑠衣斗の足元に、何だか間抜けにしゃがみ込んだままの私。


立ち上がるタイミングも、動くタイミングもなく、私はどうすればいいのかも分からないまま呆気にとられたままだ。



「その子は?困ってるだろ〜ちゃんと紹介しろよ」



その時、年配者っぽい人が私に目を向け、そう言う。



確かに困ってるけど、こんな大勢を前に紹介される方が困る!!


「あぁ〜…そうだな」



えっ。



バッと瑠衣斗に視線を向けると、途端に目がバッチリと合う。



ひい!!やだやだ無理無理。恥ずかしいよお!!



微かに顔を横に振る私を、瑠衣斗が一瞬キョトンと見つめる。


でも次の瞬間には、フッと笑い私に手を伸ばした。



「なんだよ。照れんなよ」



「て、照れるっ」



「大丈夫だから。俺も紹介したいし」



「でも…っ、う!!」



グッと力が加わったかと思うと、すんなりと立たされてしまった。



予想外の瑠衣斗の腕の力に、私は軽々と抱き上げられるようにして立ち上がっていたのだった。