「おい瑠衣!!遅刻してきた上に何の挨拶もなしかよ〜!!」
そんな中、突然聞こえてきた大きな声に、顔を上げた。
沢山の人の視線が、私達を見ていた事に我に返った私は、再び緊張してきたせいか身を固める。
私と変わらない年代の人達から、歳の離れた事の伺える人達。
一体これは何の集まりなのかさえ、私には分からないままだ。
「え……ただいま…??」
注目の集まる中、瑠衣斗がそう言う。
途端に、どっと笑いが起きる中、さらに沢山の言葉が飛び交う。
「隣のおねーちゃん俺に紹介しろ〜」
「ただいまじゃねえよ!!挨拶だよアイサツ!!」
「相変わらず空気読めないわねえ〜瑠衣は」
何だか盛り上がってきてしまい、どう身を置けばいいのかも分からない。
こんな時こそ助けてほしいのに、肝心な龍雅と宗太まで何だかニヤニヤしていて、助け船を出すつもりなんてないらしい。
「あー…はいはい、久しぶり」
すくっと立ち上がった瑠衣斗を、隼人君と共に見上げる私。
揃って立ち上がるべきか悩んだが、やっぱり腰が上がらない。
ここは大人しくしていた方が……無難かな?
沢山の視線に臆する事なく、面倒くさそうに立っている瑠衣斗に、ここの人達はみんな知り合いなのだろうと予想がつく。
でも何故、ここに私が?それに、龍雅や宗太まで……。

