いちえ





そこには、私や瑠衣斗とさほど年齢の変わらないであろう人達と、どうやらおばさんとおじさんの知り合い…?のような人達が居る。


そしてそんな中、再び見慣れた人物を見つけ、身を固める。



「おっせえよ〜…って…え!!!!」



「ちょっと瑠衣、早くこっち来てももちゃんを座らせてあげなさい」



私と瑠衣斗を見て、緩んだ表情から思い切り顔をフリーズさせた龍雅。


そんな龍雅の横には、微笑みを浮かべ意味深な目をする宗太。


そして、テーブルを挟むようにして、龍雅の正面に座る由良さん。


「あ!!るいだぁ!!」



その由良さんの膝の上から、そう言って小さな男の子が飛び上がって走ってくる。


思わず瑠衣斗を見ると、優しい笑顔で腰を下げ、そのまま飛び込んできた男の子をギュッと抱き締めた。



そんな姿を間近で見た私は、そんな光景に胸を何かが貫通したようにドキリとし、見事に身を固めた。



「またでかくなったなあ…3歳か?」



「うん、はーくん3歳!!」



一生懸命に、指を三本立てようとするその姿に、胸がキュンとする。


そして、そんな男の子を見つめる、瑠衣斗の姿にも。



「ほら隼人、お姉さんに挨拶は?」



はやと…と呼ばれた男の子が、クリクリの瞳で私を真上に見上げる。


どこか瑠衣斗の面影が残るその顔に、私は完全にノックアウトされた。



下から私を見上げる瑠衣斗と隼人君に見つめられながら、私は心の中で叫ぶ。



いやぁぁぁ!!るぅそっくりだ!!どっ…どうしよう………写メ撮りたい。



「こ…こんばんは」



「こんばんは。初めまして、ももです」



ゆっくりしゃがみ込んで、隼人君の顔を覗き込む。


色素の薄い、大きく開かれた瞳が、キラキラと輝きながら私を捕らえている。


やばい…可愛い…。



「もも?ももあっちにいるよ?」



小さな手で、隼人君が指差した先に、目を閉じて伏せているももちゃんが居た。



不思議そうに私を見つめる隼人君に、私は笑顔を向けた。