引きつる私に遠慮なく、明るく笑う田所さん。
対照的に、呆れたように溜め息を吐く瑠衣斗からは、余裕すら感じられる。
場所の雰囲気に、先の読めない展開。
私、なんでここに居るんだろう……。
今更理由も聞き辛くて、私は流れるままに足を進める事しかできない。
暫くすると、きちんと締め切られた綺麗な襖の前で足が止まる。
中からは、建物とは不似合いな、何とも明るい笑い声が漏れている。
「ここよ。さ、中に入って」
本当に、何!?
ここで何が行われてるの!?
そんな私の不安をよそに、呆気なく開かれてしまう襖。
ただの学生の私とは、全く縁のないこの場所に、私には不安以外の何もない。
瑠衣斗がそばに居てくれるのが、唯一の救いではあるが、その肝心な瑠衣斗からも何も聞かされる事もなかった私は、ただ訳の分からないまま開かれた襖の景色に、ただ呆然と目を向けた。
『………』
騒がしかったのが一変し、一瞬にして静まり返る部屋の中。
そこはまるで、何か未確認生物か何かを見たような、驚愕する顔で私と瑠衣斗を見る人達のたくさんの顔。
中には二度見して目を見開く人や、怖いものでも見るような人まで居た。
うっ…な、何だろ…なっ…何!?
「おい、コイツがビビってんだろうが」
しんと静まり返った空間に、低い掠れた瑠衣斗の声が、響いて私の耳に届く。
こ、コイツ…私?てゆーか…みなさんるぅのお知り合いですか?
「う〜わー!!!!まじかよ!!瑠衣じゃねえかよー!!!!」
「めちゃくちゃ久しぶりじゃねえか!!」
「ちょっと〜、ももちゃんがビックリしてるでしょ〜?」
栓を切ったように騒がしくなる空間。
そんな中、瑠衣斗のおばさんとおじさんの姿を発見した私は、身を固めるしかなかった。
………宴会??

