「そーゆう目で俺を見んな。何か俺が悪い事してるみてえだろう」
「え?目?」
悪い事??
瑠衣斗の言いたい事も分からず、頭の中は「?」でいっぱいになる。
まあ確かに、私の年齢で経験がない子も、そんなに居ないかもしんないけどさ……。
でも、高校生の頃から一緒に居て、ずっと私の事を見ていれば誰だって分かっちゃう気がするんだけどなあ。
頬をほんのり赤くした瑠衣斗が、優しく頭を撫でてくれる。
じっと見つめる瞳は何か言いたげで、そんな瑠衣斗から発せられる言葉をじっと待つ。
「だから〜…」
「うん」
「その〜だなあ…」
「…ハッキリ言えばいいじゃん」
「……お前は…男心ってモンを知らなさすぎる…」
「お前言うな」
「そこかよ」
男心…って何だろう。てゆーか、瑠衣斗の事がよく分からない私は、男心なんてもっと分からないんだと思う。
ガックリとうなだれた瑠衣斗に、ますます意味が分からなくなる。
そんな表情まで、胸がキュンとする。
私、るぅと一緒に居ると、いつか酸欠で倒れちゃいそう。
じっと見つめる私を見据えるように、意を決したような顔を向けた瑠衣斗に、ドキリとする。
「慶兄とは、してねえのか?」
「……えっ…」
それは…それだよね。その事だよね。

