荷物を各自車から運び出し、揃ってお屋敷へと向かう。
玄関のすぐ左手には、日本庭園が広がり、見渡すと家の奥の方へと繋がっているようだ。
……す…すごい……。
ご両親は何をしてる人たちなんだろう……。
そう思って初めて、玄関を目の前に緊張しだした。
これから少しの間、お世話になるんだから、ちゃんと挨拶しなきゃ。
庭園を横切ると、すぐに玄関だ。
大きな石で、数段の段差のできた階段を登ると、躊躇なく由良さんが玄関のドアを開けた。
横開きの扉は、ガラガラと音をたててすんなりと開かれ、中の様子に再び驚かされる。
「るぅ…ご両親……何やってらっしゃいますの…?」
驚いた様子で、龍雅がそう口にする。
それもそうだ。開かれた玄関の先には、大きな大木を輪切りにしたような、大きな置物が正面に置かれ、目隠しのような役目になっている。
「…何だったっけ。確かサラリーマンと変わらねーよ」
「サラリーマン…な訳なさそうだけど」
「何ごちゃごちゃ話してんの!!中に入って入って!!」
宗太の言葉にそう言いながら、由良さんは龍雅と宗太を中へと押し込むようにして一緒に中へ入る。
そんな様子に、呆気に取られたまま立ち尽くしていると、隣に居た瑠衣斗が私の腰に手を添えた。
「どうした?入ろーぜ?」
「あっ…う、うん」
促されるように中へ踏み込むと、やはり広々とした玄関に驚かされる。
下駄箱なんて言ったら絶対失礼な下駄箱が右手にあり、玄関から廊下のさかえめのように、少し高く段差がある。
「お邪魔しま…す…」
靴を脱ぎ、そっと廊下へと足を下ろした。
それとは対照的に、手慣れたように躊躇なく廊下へと足を下ろした瑠衣斗に、私は視線を向けた。
「……どうかした?」

