その頃、残された二人はというと呆気にとられていた。


「姫香あぁぁぁぁー」


我に戻ったフリアが廊下に飛び出しそう叫ぶ。

しかし、その時には姫香は、遠くに走り去っていた。


「何であの子は突然走り出すのよ!
とても大切な話をしていたとこなのに!」


フリアは姫香に対して怒り出す。


「まぁまぁ、落ち着いて。
きっといろんなことを一気に聞いたから気が動転したんだよ。」


そんなフリアをゼンがなだめる。


「それもそうね・・・・ちょっと突然にいろいろな事を言い過ぎちゃったかも知れない・・・・・」


フリアは、ゼンの言葉を聞いて少し反省しているようだ。

「けれどあの子大丈夫かしら?
このお城とても広いのに・・・・」

「それは、俺も思った。
姫香は、方向音痴でかなりのトラブルメーカーだからな。
変なことに巻き込まれてないといいけど・・・・」