唐突に、目は覚めた。

 一哉は眼を開けたが、頭がはっきりとせず、視界もぼやけている。

 脇の下は濡れ、胸を汗が伝う。

 一哉は意識をはっきりさせようと頭を振り、顔を手で拭った。

 ずいぶん訳の分からない夢だった。

 今まで見てきた夢の中で、訳の分からなさでは三本の指に入る気がした。