その日は、授業にも友達の話にも集中できなかった。
今朝のまみさんの顔が頭から離れなくて、それ以外、何も考えられなかった。
コウくんが病気…
コウくんが入院…
そう考えるだけで心配で。
そう考えるだけで不安になる。
朝から一度も顔を見ないなんて初めてだった。
いつだって、手を伸ばせば届く位置にコウくんはいた。
会いたいと思えば会える距離にコウくんはいた。
避けられていようが、入院しようが、今もそれは変わらないはず。
なのに、不安でたまらない。
もう二度と会えないような、そんな気さえするんだ。
どうしようもなく、怖いんだ…

