「お前、顔キモい。」
花瓶に水を入れていると、突然聞こえてきたコウくんの声。
キモい。
その言葉に、ズキンと胸が痛むのを感じた。
「何化粧なんかしてんの?てか、全然変わってねぇから。」
グサグサと突き刺さる、コウくんの言葉。
痛い…
痛い…
痛いよ…
涙、出そう。
どうしよう…
嫌だ、泣きたくない。
ここで泣いたら私、コウくんにもっと嫌われちゃう…
もう、ここに来れなくなっちゃうよ…
ダメ…
止めなきゃ…!!
泣いちゃ、ダメ!!
「佐倉さん?ごめんね、なんか。晃太くん、機嫌悪いみたいで…」
泣きたくない。
泣きたくなんかなかったのに…
荒木さんの言葉に、私の目からは涙が溢れだしてしまった。

