「ここでお別れだね」
少女は戸惑うこともなく、彼女に大きく手を振った。
何を言うわけでもなく、少女は微笑んでから背を向けた。

「ありがとう」と、言われた気がした。
彼女の中で、何かが崩れていく、
錆び付いた音が響きわたる。

音のない世界はどこまでも続いていて。
モノクロの世界は永遠であり。
そして彼女は、その世界を手放せないで居た。