そう考えれば考えるほどに、親友という言葉は、なんて脆いのだろうと思う。
あまりにも上っ面だけの親友に、彼女は悲しくなってくる。
今、自分が食べているコレは、なんだったかな。
味がしない。
無味無臭だ。
世界から、色が消えていく気がした。
だから、放課後になったことも、気付くまでに時間を要した。
昇降口は、やけに静かだった。
ただ、親友という名の少女が、彼女を待っているだけだった。
「今日は、夕日が綺麗だね」
少女は、目を細めて笑った。
「そうだね」
彼女も、同じように笑った。
足下に伸びていく影を連れて、二人並んで家路を行く。
どこまでも静かで、どこまでも悲しい。
現れる分かれ道は、これからの二人を表しているかのようだった。