それから正面を向き、歩き出そうとした直後、路地裏から出て来た少女に呼び止められた。
見たことのある顔だった。
この少女は、あの時の―――。

「教えて欲しいことがあります」
少女は泣きそうな顔で、彼に告げた。

彼は終わりを見た気がした。
そしてサングラスは、一生外せないのだと知った。
同じ傷を作ることしか知らない彼に、
空の青さは、あまりにも綺麗すぎたのだ。