カフェに入ったものの、二人の間にはしばらく沈黙が流れていた。
「…美咲?話したいことって?」
沈黙を破ったのは僕だった。
「あ、ごめんね。あの、さっき千里が明日香さんのことよろしく頼みますねって言ってたじゃない?」
「ああ、っていうか何で明日香のこと知ってるの?」
「春風明日香ちゃんってうちの高校の生徒なの。え…言っていいか分からないけど真壁祐一くんって子と付き合ってる。」
美咲の高校の生徒さん、
真壁祐一ってあの青年か。
「知ってるよ。今日病院で会ってきた。すごく優しい男の子だったよ。」
「そうだよね。明日香ちゃんって誠くんの病院に入院しているんだよね」
「そうだよ。清風病院。ちなみに言うと僕の担当なんだけど。」
「それなら話が早いわ。実は明日香ちゃんの担任の先生から明日香ちゃんに渡して欲しいものがあるって言われて。美咲の彼、清風病院で働いているんでしよ、って。」
そう言うと美咲は一冊の本を出した。
“日記帳”と書いてある。
「その日記帳には何も書いてなくて、明日香ちゃんが入院している間思ったことを書きなさいって、言っていたわ。」
「そうなんだ。でも、何でその担任の先生が直接来ないの?そんなに遠くないよね」
「何でかは教えてくれなかったけど、ここの病院に来たくないんだって。」
「え!じゃあ教え子のことお見舞いに来ないの?」
「多分…でも毎日手紙は書くって。」
「不思議な人…だね。何があったんだろ。」
「あと、近々海外に行くからその準備だって。教師辞めて。」
「へぇ。色々大変なんだねその人も。」
「で、何で日記帳なのって軽く聞いてみたの。そしたら急に落ち込んじゃって。」
「聞いてはいけないことだったの?」
「分からないけど話してくれた。その人は昔病気で親友を亡くしていて、その亡くなった親友もずっと日記帳をつけていたらしいの。今もその人は日記帳を大切に保管しているそうよ。……って、誠くんなに泣いてるの?」
気がついたら泣いていたらしい。
「ごめん、そういう話弱いんだ。」
「はは。誠くんって意外と繊細なのね。」
「かもね。」
「…美咲?話したいことって?」
沈黙を破ったのは僕だった。
「あ、ごめんね。あの、さっき千里が明日香さんのことよろしく頼みますねって言ってたじゃない?」
「ああ、っていうか何で明日香のこと知ってるの?」
「春風明日香ちゃんってうちの高校の生徒なの。え…言っていいか分からないけど真壁祐一くんって子と付き合ってる。」
美咲の高校の生徒さん、
真壁祐一ってあの青年か。
「知ってるよ。今日病院で会ってきた。すごく優しい男の子だったよ。」
「そうだよね。明日香ちゃんって誠くんの病院に入院しているんだよね」
「そうだよ。清風病院。ちなみに言うと僕の担当なんだけど。」
「それなら話が早いわ。実は明日香ちゃんの担任の先生から明日香ちゃんに渡して欲しいものがあるって言われて。美咲の彼、清風病院で働いているんでしよ、って。」
そう言うと美咲は一冊の本を出した。
“日記帳”と書いてある。
「その日記帳には何も書いてなくて、明日香ちゃんが入院している間思ったことを書きなさいって、言っていたわ。」
「そうなんだ。でも、何でその担任の先生が直接来ないの?そんなに遠くないよね」
「何でかは教えてくれなかったけど、ここの病院に来たくないんだって。」
「え!じゃあ教え子のことお見舞いに来ないの?」
「多分…でも毎日手紙は書くって。」
「不思議な人…だね。何があったんだろ。」
「あと、近々海外に行くからその準備だって。教師辞めて。」
「へぇ。色々大変なんだねその人も。」
「で、何で日記帳なのって軽く聞いてみたの。そしたら急に落ち込んじゃって。」
「聞いてはいけないことだったの?」
「分からないけど話してくれた。その人は昔病気で親友を亡くしていて、その亡くなった親友もずっと日記帳をつけていたらしいの。今もその人は日記帳を大切に保管しているそうよ。……って、誠くんなに泣いてるの?」
気がついたら泣いていたらしい。
「ごめん、そういう話弱いんだ。」
「はは。誠くんって意外と繊細なのね。」
「かもね。」
