歩き続けて

「千里ってねぇ、もうすぐ結婚するの。お腹には赤ちゃんもいるんだよ。ん……できちゃった婚ってやつかな。」


どこへ向かうかは分からないが夜の街をぶらぶら歩きながら美咲は言う。


“結婚”という言葉に自分でも驚く程反応していた。

美咲はうらやましいのかな

僕は…

「あの」
「あの」

二人同時に話を切り出した。

「誠くんからいいよ。」


「いや、美咲から話していいよ。」


「あ、そうなの…じゃあ話すね、ちょっと長くなるけど。あ、あそこのカフェ入ろうよ」


「そうしよっか。」