携帯のバイブで目が覚めると、もう夜の10時を回っていた。


蜜子からのメールだった。


「さっき話してた番号交換した男の子からメールきた!」



また暗い気持ちが蘇り、返信もせず下へ降りた。



うちは酒屋をしていて、閉店するのは10時。



「あんた今までずっと寝てたの?何度呼んでも返事ないし。ご飯温めて食べなさい」



無口な親父とおしゃべりな母が閉店後の作業をしている間にご飯を温め二階へ上がった。




こんな短い間にもう一件メール。



なんでも予想通りってゆうのはつまらないものだ。



「明日一緒に帰ろうだって~!彼氏できる日も近いかも!」



私の心を噛み砕くようなそのメールを見て、おかずのコロッケを思いっきりかじったら勢いあまって舌を噛んだ。



なんだか、私の人生を象徴しているかの様で、それ以上夕飯に手をつける手が止まってしまった。