きちんと笑顔になってるのかが、不安で仕方なかった…
そろそろ割り切る頃だと…そう決めていたのに。
何でこんなにもドキドキするんだろう。どこかにしまっていた、小さな小さな引き出しが、今開く…
''『ちょっとぉ~、真唯。おいていかないでよ!』
夏の夜、暑さに耐えきれず私と美加は小さなテラスのあるバーに向かってた。
赤信号を無視して車がこないうちにダッシュ!
『あ、ごめん。思いっきり全力疾走だった…』
『ひどいなぁ~きちんと後ろも見て、声かけてからにしてよぉ~』
ぜぇ~ぜぇ~、息切らしながらもふくれっ面
あはは…
可愛いなぁ~。 美加は…
『に、しても今日暑くねぇ~?マジだるいよ』
『ん~、ま、テラスでビール飲めば涼しくなるよ!』
『そう願いたいッス』
私と美加はいつもこんな感じにはじけていた。
何するわけでもないが、毎日毎日一緒にいた。
 'ギィ~~。'
『いらっしゃい。今日は暑いね!』
店に入るなりマスターの声が聞こえる。『ん~、あづいよぉ~。まずビールね♪テラスで!』
『おっ、了解!テラス、まだ準備してなかったから、蚊取り線香つけろよ!ほらっ!』
カウンターの中からマッチが飛んできた。