救いようのない馬鹿だったのだ。 冴子がキレる度に ーー俺さえ我慢すればいい と自分に言い聞かせ自分をごまかし続けた結果が俺が犯した罪だった。 何度婚約解消を言い出そうとしても口から言葉が出ることはなかった。 その話をしようと決心し、冴子のマンションの近くのバーに冴子を誘って行くがそれでも…その肝心な言葉が出ることはなく… そのまま日々は過ぎていきついに結婚式当日になってしまう。