それであの妊娠事件があった年の盆の数日後、俺は別居すると冴子に宣言して家を出て、とりあえずは結婚前と同じように塾の二階の俺の部屋で生活を始めた。 離婚して再婚する以外に実家へ戻り母親と暮らし親孝行することはできない状態だった。 ちょっとした用事で実家に帰ることさえも冴子はいい顔しなかった。 親戚の人や両親の顔を見るとあからさまに眉をひそめた。