「なぁ、健」 後ろの席から信がこそっと耳打ちしてきた。 「知ってるか? オネェ先生は若いころゲイバーで働いていたらしくて… 容疑者の男はそのときに、先生と付き合っていたらしいんだ。 俺が思うに、容疑者の男は先生に振られたんだな。愛が憎しみに変わったパターンだな、うん。」 「ぶっ!」 思わず、噴き出してしまった。 静かな教室。笑ったらいけない、そう考えるほどにお腹から笑いがこみ上げてくる。 「何なんだよ!」 俺はくるっと体ごと後ろを向いて、小声で叫んだ。